米粉ニュース

「米粉バウム」広がる

【掲載】 商経アドバイス
【掲載日】 2024年12月5日(木)

「米粉バウム」広がる
西村機械 産地に新ビジネス提案

 輸入小麦の価格高騰や小麦アレルギーの増加、健康志向の高まりなどを背景にここ数年、グルテンフリーや低糖質をうたったパン・麺、スイーツなどさまざまなレシピや商品開発が進む米粉食品。先ごろ千葉の幕張メッセで開催した第13回「農業WEEK」では、㈱西村機械製作所(大阪府八尾市)が高品質な米粉が作れる気流式米粉製造機をPR。米粉バウムクーヘン事業をプロデュースする㈱不二商会(神戸市兵庫区)とコラボ出展し、地場産ブランド米を活用した新たな米粉ビジネスモデルなども紹介した。

 不二商会がレシピやプランニングなどを提案する"ご当地米粉バウム"が全国の道の駅などの直売所や個人店などを中心に広がる中で、西村機械製作所製の気流式米粉製造機もいまや全国に拡大中。小規模向けの小型気流粉砕機「フェアリーパウダーミル」は同展示会直近で約50カ所、大型工場向けの「スーパーパウダーミル」も50カ所弱の導入実績を誇る。細部まで清掃ができるサニタリー性の高さにも定評がある同社製の気流粉砕機が持つ最大の特徴は、「摩擦熱を抑えながら高品質な米粉が簡単かつ大量に作れること」。水分を含ませてから粉砕する湿式気流粉砕を行えば、さらにデンプン損傷率が抑えられるという。

 コラボブース内では、米粉バウムクーヘンの試食ができ、同社製米粉製造機で造った米粉を使った各産地の米粉バウムや優良事例を紹介。アイス入りやエクレアバウム、工事現場の「足場職人」が本業という群馬のバウムクーヘン専門店「BAUM BROTHERS(バウムブラザーズ)」が販売するプロティン入りまで、独自に進化したユニーク米粉バウムが多彩に揃えられた。
また山梨県富士川町の道の駅に店を構えるバウムクーヘン専門店「BAUM ARURA(バウムアルラ)」では、地元で穫れたコメを自家製粉した米粉と地元産卵で作るこだわりのバウムクーヘンが味わえる。農商工に福を加えた新たな6次化ビジネスモデルを展開する愛知県犬山市の農業法人「㈱ココトモファーム」は、低温貯蔵した自家製のコメを挽きたての状態で焼き上げた玄米バウムを開発。串に刺したオリジナルの米粉バウムは、犬山城近くで開催されるお祭りでも手を汚さずに食べ歩きしやすく人気が高いという。

 想定以上の米粉バウムの広がりについて担当者は、「小型製粉機では米粉の生産が追いつかない繁盛店もすでに出ており、大型に切り替えている。また本店の機械で造った米粉を別店舗に持って行くと、最近はトラック確保もままならず、時間・コストの両面で厳しい。別店舗に新たに設置して、ダイレクトに提供できる態勢を整えた所も出てきた」と説明。同社では各施設に合わせた機械の使い方だけではなく、長年の米粉製粉機導入実績で積み重ねてきた経験を生かし、米粉ビジネスに関するサポート面も充実している。

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