実需者から消費者まで参加
【掲載】 | 商経アドバイス |
【掲載日】 | 2024年12月2日(月) |
米粉需要拡大の一助に
西村機械 第2回「こめこまつり」
㈱西村機械製作所(大阪府八尾市)は先ごろ、第2回「こめこまつり」を本社内で開催した。米粉メーカーや実需者だけでなく、コメ農家、一般消費者も含め、米粉に興味がある人なら誰でも参加できるイベントだ。しかも同社の米粉製粉機「スーパーパウダーミル(SPM)」や「フェアリーパウダーミル(FPM)」使用の有無にこだわらない。参加者は、米粉の世界の裾野を広げる肩ひじ張らない取り組みとして、楽しい時間をすごしていた。
開会に当たり同社・西村元樹社長は、「コメにかかわる川上から川下の方々まで集まっていただいた。米粉需要は少しずつ増えているが、さらに全体の器が広がらなければいけない。ひとつのきっかけとなればありがたい」とあいさつした。
同社が認める米粉商品のアピールポイントは、パンであれば外側のサクサク感と中のモッチリ感。麺であればツルツルした食感。アミノ酸バランスに優れ、油の吸収率が低いヘルシーさとグルテンフリーという健康志向への対応食である点だ。したがって、米粉商品が得意だったり、食物アレルギー対応完備の工場を持つパートナーを選ぶように勧めている。
SPMユーザーとして、南都食糧㈱(奈良県大淀町)・小川洋一郎社長が取り組みを報告した。同社では地元産のヒノヒカリとみずほのちからを原材料に使用している。「ヒノは地元のおいしいコメを米粉でも味わってもらいたいから」とし、みずほのちからはデンプン損傷率の低さや反収の高さから、契約農家の収益を考えて選んだ。米粉パンの開発や米粉スイーツの販促を目的とした「古都米粉研究所」も立ち上げている。
和・洋菓子の生地焼成で広いシェアを誇る㈱マスダック(埼玉県所沢市)は、同社・市川茂本部長によると、「米粉のふわふわパンケーキ」普及に取り組んでいる。かねてより卓上パンケーキクッカーを開発して、店頭での焼きたてを演出。どら焼き機の超小型モデルで、ふわっとした食感と素朴なおいしさを味わえる米粉パンケーキが焼け、当日は会場で、参加者たちがパンケーキを焼いて楽しんだ。
SPMやFPMを使った米粉のパンやケーキ、麺などの試食も行われた。乾式と湿式で製造された米粉を水に溶かす実験も行われ、参加者は生地の滑らかさの違いに目を見張っていた。工場見学ではSPM・FPMを中心に、生米から米粉になるまでの過程を、製粉化の仕組みの説明を受けながら学んだ。参加者からは、設置に必要なスペースや乾燥の際の温度、洗浄の手順、品質検査の注意点などの質問が飛び交ったほか、米粉の手触りを確認するなどしていた。