米粉ニュース

細かく米粉しっとり

 

【掲載】 商経アドバイス
【掲載日】

2024年1月12日(金)

 

使う分だけの製粉も可能に ㈱西村機械製作所

 米粉に注目が集まっており、普及には絶好の社会情勢だ。これからさらに普及を図るためには、2次加工食品ごとの特性に応じた米粉の品質向上や流通経路の確立が求められる。㈱西村機械製作所(大阪府八尾市)では、湿式気流粉砕により、デンプン損傷ダメージが少ない米粉を製造できる米粉製造機「スーパーパウダーミル(SPM)」と小型の「フェアリーパウダーミル(FPM)」の普及を図り、導入各社の米粉事業をサポートしている。

 群馬県桐生市のベーカリーとスイーツのKOTONEYA笠懸店では、昨年2月にバウムクーヘンの店としてリニューアルオープンし、米粉バウムクーヘンと米粉パンの販売を始めた。店内で飲食もできるおしゃれな店だ。

 それまで同店では市販の米粉を使ってパンやケーキを作っていたが、でき映えには納得できていなかった。しかしFPMを導入し、米粉バウムクーヘンのパイオニア・㈱不二商会(神戸市兵庫区)の助言を得て人気店となっている。

 85×72センチというFPMのコンパクトさは、ベーカリー内でも邪魔にならず使いやすいという。その日に使う分量だけを製粉できるため、原料も余らない。生米粉を使えるため、しっとり感がある粒子の細かな米粉ができ、バウムクーヘンの軟らかくしっとり、もっちりとした食感に仕上がるという。

 米粉食パンと米粉ピザ風パンも作っている。食パンも小麦パンと遜色ない食感に仕上がり、ピザ風パンに至ってはもっちり食感を醸し出せて重宝しているという。

 昨年4月からWebサイトのグルテンフリーオンラインショップ「農(のっ)歩屋(ぽや)」を展開する㈱景(熊本市北区)でも、米粉の品質の良さに太鼓判を押す。一時はショップ展開を休止していたが、12月から再開して好評を得ている。

 かつては既存の米粉を使ったショップも展開していたが、当時は小麦アレルギーだけではなく、普通のコメも食べられない人からの相談も寄せられていた。しかし市販の米粉では添加物が入っていて適さなかった。いまでは親戚に有機肥料のみでコメを作ってもらい、それを自家製粉できるようになったため、そのお客さんも喜んで米粉パンを食べてくれるようになったという。

 同社・山中智広取締役は「市販の米粉よりミルキー。香りがよい。パンの食感はもっちりしているが、べったりはしない」とメリットを挙げている。

 SPM・FPMともに気流粉砕のため、原料米粉砕時の粉砕熱の発生が抑えられて、デンプン損傷も著しく低く済む。小型なので扱いやすい上、工具なしで分解でき、清掃も簡単だという。

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