米粉ニュース

米粉、小麦代替需要へ

【掲載】 日本食糧新聞社
【掲載日】

2023年1月23日(月)

 

  •  “普及一気に”の予想も

 国産米粉が盛り上がり、21年米粉用米需要量(農林水産省調べ)は初の4万tを超え、22年は4万3000tに達する見通しとなっている。そうした中、海外情勢に左右されやすい小麦に代わる需要に、安定的に応えようと、コスト削減の動きが活発化している。

 中でも、大手のみたけ食品工業は昨年9月、東西に国内最大級の5万tの米粉生産設備を構築した。これにより、小麦粉より安価な1kg当たり90円台の価格対応を可能にすると同時に安定した製品作りや潜在需要のある業務用プレミックスの一貫体制を構築し、小麦に代わる米粉加工製品にも対応が可能となった。

 さらに、みたけ食品工業と生産量を競う波里も今年、大規模製粉工場に着工。製法の研究を進め、みたけ食品工業と同じレベルの価格が実現できる見通しで、今後、米粉の普及が一気に進むことが予想される。

 その一方で、米粉製粉機械を展開する西村機械製作所は、微粉砕かつでんぷん損傷の少ない湿式気流粉砕機「スーパーパウダーミル」と、この卓上型「フェアリーパウダーミル」を活用して、小規模・高付加価値型米粉ビジネスモデル構築を後押ししている。

 このうち「フェアリーパウダーミル」は、小型ながらもスーパーパウダーミルと同等品質の製粉が可能で、乾燥工程がないため、生米粉のまま上質な最終製品が出来上がり、特にしっとり食感が評価されている。

 同社では、商品開発からビジネスモデル構築までを支援し、6次産業化による地域振興や農業活性化にもつなげる事例として、バウムクーヘン製造機械の不二商会と取り組み、地元のコメをその場で製粉して、バウムクーヘンを焼き上げる専門店が全国に拡大中だ。(佐藤路登世)

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