「米粉製粉技術一筋に」
【掲載紙】 | 農村ニュース |
【掲載日】 |
2020年1月13日(月) |
米粉製粉技術一筋に
令和元年秋の叙勲で旭日双光章を受けた 西村卓朗氏
〇…西村機械製作所取締役会長の西村卓朗氏が、令和元年秋の叙勲で旭日双光章を受章し昨年12月12日、都内のホテルで経産省幹部から伝達を受けた。
〇…「絶対あきらめたらあかんとの思いでやってきた。感無量です」と顔をほころばせた。米を粉砕して作る米粉の専用製粉機の開発と普及に尽力。小麦粉に代わる食材として、国内外で広がりを見せる米粉ブームを下支えしてきた。
〇…創業86年を迎える同社は、米菓や和菓子など全国各地の米粉製粉設備に携わってきた。その技術を生かし、開発した米粉製粉機は、超高速気流の中で米同士が適度な衝突を繰り返す自己粉砕方式。きめ細かい高品質な米粉をつくることができ、米粉活用の幅がさらに広がった。
〇…消費が減少の一途を辿る米の行先きを心配する。「小麦粉で作られているものは米粉でできる。輸入小麦の1割でも米粉が担えたら」。米文化の醸成や新産業の創出、農業振興など米粉には可能性がつまっている。
〇…現在は息子の元樹氏がバトンを引き継ぐ。「私は基礎を作っただけ。米粉はまだ進化する。次の世代が新たな時代を切り開いてくれるはず」と語った。