「ノングルテン米粉加工品」
【掲載紙】 | 商経アドバイス |
【掲載日】 |
2019年12月19日(木) |
ノングルテン米粉加工品
登録第1号はネティエノ
日本米粉協会はこのほど、ノングルテン米粉を使用した加工品の登録第1号として(株)ネティエノ(波賀正一社長、山口県熊毛郡布施町)の「ノングルテン米粉使用パン」を承認した。
同協会では今年9月、ノングルテン米粉加工品の表示を「登録制」に変更した。当初は米粉商品と同じと認証制でスタートしたものの、「ノングルテン米粉を使用した加工品の認証は製造工程でさまざまな原料が投入されることから、現状では検査することが技術的に困難。検査費用も膨らんで現実的ではない」と判断。認証から登録へと舵を切っている。
ノングルテン米粉を使用した加工品登録の条件は、▽ノングルテン米粉を主たる原料(無水物換算51%以上)として使用し、食品表示法上の小麦にかかわる特定原材料表示が不要な加工品。かつ大麦・ライ麦・オーツ麦を原料として使用しない▽HACCPの考え方を取り入れた衛生管理を実践する事業者▽日本米粉協会が主催する講習会を品質・衛生管理責任者が受講した事業者-となっている。
同協会では今年10月末、東京・大阪会場で「ノングルテン米粉の製造と同加工品普及講習会」を開催。東京会場が92人、大阪会場は62人が参加しており、受講者には加工品登録を申請する際に必要となる修了証書が交付されている。
米粉商品は現在、3商品が認証されており、ネティエノの「やのくに純真米粉」も30年11月に第2号として認証を受けている。ノングルテン米粉使用パンは純真米粉が原料だ。
同社では製造に当たり、原料の搬入から保管までの全工程で細心の注意を払っている。従業員の手洗い、身だしなみ、工房周辺の清掃、作業場や機械・器具類の消毒・清掃・温度管理などを徹底。BMLフード・サイエンスが担当した試験結果(特定原材料「小麦」含有試験)ではすべて陰性だった。
HACCP対策では、波賀社長を最高責任者とするトップマネジメントの下にHACCPチームを編成。管理責任者、食品安全チームリーダー、品質管理責任者を配置しており、一般衛生手順書、危害要因の分析表、ハザード分析シート、管理規定も完備している。また回収訓練やトレーサビリティ実施要領も制定。登録申請審査委員会でも高く評価された。
日本米粉協会に登録された加工品は協会のホームページで紹介され、「ノングルテン米粉使用」ロゴマークを使用できる。登録後は自主管理となり、登録期間は3年。3年ごと検査機関で分析・検査を受ける必要があり、協会主催の講習会を再度受講すれば登録の維持・更新が可能になる。