【受章日】 | 2019年11月3日(日) |
秋の叙勲 大阪
【機械メーカー 西村卓朗さん】
「旭日双光章」を受賞する、食品機械メーカー会長の西村卓朗さん(77)は大阪・浪速区出身。大学卒業後、父の経営する会社に入り、機械の製造現場で技術を学び、昭和52年に社長に就任しました。
その後、コメの粉砕装置の開発に取りかかり、主に和菓子の材料向けに粗い加工しかできなかった米粉をコメのうまみを生かしたまま、薄力粉並みに細かく加工することに成功しました。この装置の開発をきっかけに米粉で作ったパンのブームが生まれたほか、小麦にアレルギーのある人でもパンや麺を楽しむことができるようになりました。
また、開発した機会をコメの生産が盛んなミャンマーに無償で提供したり、タイの大学と米粉と使った製品を共同で開発したりするなど国際貢献にも熱心に取り組みました。
いまも、街なかにあるパンの販売店でも使える小型の米粉製造機の開発を手がけるなど、米粉の普及を目指しています。
西村さんは「受賞を聞いたときは『まさか』という思いでした。徹底的にやればいつかうまくいくという思いで開発を進めてきました。最近はコメの消費量が減っていますが、米粉の普及で歯止めをかけたいです」と話していました。