「内製化の動きで引き合い」
【掲載紙】 | 食品産業新聞 |
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【発行日】 | 2015年1月29日(木) |
【記事の内容】
≪内製化の動きで引き合い≫
◎東南アジア中心に海外展開
湿式製粉機が市場で高い評価を受ける西村機械製作所。「国内全体の動きとして米粉の製粉機の引き合いは落ち着いてきたが、地域レベルで見ればまだニーズがある。地域の6次産業化で米粉を使った特産品を作るにも、地元に製粉できる環境がないと始まらない。県外に委託するということでは、ハードルになってしまう」。
近年は農事組合法人や加工業者の中に、自社で米粉を作ろうという動きがあり、小型機の引き合いが出てきている。直近の実績ではJA食糧さがに毎時30kgの小型機「スーパーパウダーミルミニ」を導入。現在、稼働に向けて準備を進めている。
西村機械製作所では、海外での展開も進めている。最近の主なターゲットは、タイ、ベトナムなどの東南アジア。これらの地域では「中間所得層が増え、新たなニーズが出てきている。日本へ旅行に来てお菓子を食べ、自国でもこれが作れないか、となる」。さらに、今は円安の効果が展開を後押しする。1ドル80円の頃と比べれば、設備は3割ほども安く入れられる。
タイなどで設備導入する業者は、自国内の消費だけでなく、輸出にも目を向けているという。日本の技術を取り組み、現地産の安価な米でライスクラッカー(せんべい)を製造。欧米で、グルテンフリーの健康的な食品として、「日本のお菓子」という良いイメージを活かして販売しているという。
「日本は農産物だけでなく、食品加工の技術を輸出するようになってくる。例えばアジア圏には、餅を食べる習慣はあっても、切り餅を乾燥させて保存する文化や技術がない。食品加工には、日本独自のノウハウがある。顧客が何を作りたいかに合わせ、当社でも、他の食品機械メーカーなどを紹介していきたい」。