「東南アジア事業に本腰」
【掲載紙】 | 商経アドバイス |
---|---|
【発行日】 | 2014年07月22日(火) |
【記事の内容】
◎東南アジア事業に本腰
〈西村機械 台湾人の感性取り入れ〉
ロータリーシフターや米粉製造機を取り扱う㈱西村機械製作所(大阪府八尾市)は、今年から東南アジアを中心とした海外事業に力を入れ始めた。3年前に開設したタイのバンコク出張所にはそれまでの現地スタッフだけでなく、今年からは日本からも従業員を常駐させている。また6月には台湾で開催されたシンポジウムにも招待され、米粉によるコメ消費拡大の現状と課題を紹介してきた。
タイでの事業拡大に合わせてこのほど、同社は英語版ホームページ(http://www.psscombine.com/NishimuraMachineWorks.htm)も開設した。フロントページで米粉の製造工程のフローチャートを乾式と湿式で説明。自動計量機の説明ページに飛ぶこともできる。
これまでも同社のロータリーシフターなどの選別機は、現地でも性能の良さが認められて引き合いがあった。タイで現地の農産物を原料に仕入れ、最終製品にして輸出する日系の食品企業や、日本に輸出する現地法人の間では小型から大型機まで対応可能で、日々のメンテナンスが容易な同社の機械は重宝されていた。
〈米粉原料に長粒砕米使用〉
ビーフンやフォーなど米粉麺を食べる文化があることから、米粉製造機のスーパーパウダーミルへの関心も高い。6月に開かれた食品機械総合展示会・プロパックアジアでは、「日本以上に具体的な商談が多かった」(同社・西村元樹代表)という。タイは長粒種のため、日本メーカーの精米機でも20~30%が、中国メーカーだと50%もの砕米が発生するため、米粉には砕米が使われる。
台湾では、現地の大学主催でシンポジウムが開かれ、同社が品質の良い米粉を作るための留意点や食品の種類別の米粉の特徴などを紹介した。現地の長粒種米を使った米粉パンの試食も好評だったという。西村代表は、「台湾人の感性でおいしいものができれば、逆にそれを日本にも取り入れたい」と語り、海外戦略に意欲的だ。
日本国内でも最近は、スーパーパウダーミルを使ってもち米粉の最中生地も作られている。同社は国内の米粉麺や米粉パンに限らない新しい市場開拓に向けて、チャレンジを続けている。