「内麦、米粉、100%地元産の給食パンを目指すプロジェクト発足」
【掲載紙】 | 米麦日報 |
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【発行日】 | 2011年11月2(水) |
【記事の内容】
㈱西村機械製作所(大阪府八尾市、西村卓朗社長)は、地元産の小麦や米を使った給食パンの提案を行う「100%地元産の給食パンを目指すプロジェクト」を発足、各地域で「新たなビジネスモデルになれば」と推進を図っている。同社の湿式製粉による気流式微粉砕プラントは全国に導入先を広げ、主に米粉を使った製パンによる地域の6次産業化にも貢献している。地域によって異なるが、米粉の受入先として、推進する自治体等がまず考えるのは学校給食。ただ、仕入値の問題や内麦の振興など、これまでの地域事情から、自主的な取組では学校給食への導入は難しい地域もみられていた。同社では「これまでは米粉に目を向け過ぎていたところもあったが、内麦でも自給率向上は同じこと。地域の特徴を生かすには米も小麦も関係なく、地元産の農産物を使った地域密着の産業化が図れれば」と提案している。
実際に同社の納入先から内麦製粉の相談を持ちかけられたのがきっかけで、連携してプロジェクトを進める辻井商店(滋賀県長浜市、辻井孝裕代表)ではすでに、滋賀県産農産物(小麦、野菜)を活用した原料化、製品化を進めており、「第2回しが新事業応援ファンド助成金交付事業」にも採択されている。同県では、地元の製パンメーカーが地元産小麦ニシノカオリを使った全粒粉食パンを開発するなど学校給食を飛び越えた地産地消、県外への普及も始まっており、地元の活性化に同プロジェクトの提案力が期待されている。
㈱西村機械製作所では、今回のプロジェクトのメリットとして、▽子供達にとっては「地元産の農産物に愛着が持てる、食育の実現」、▽農業者にとっては「安定した販売先の確保、身近に消費先があるため、品種改良、商品開発にも意欲的になれる」、▽製パン会社には「売上の安定、地元産米や小麦によるパン製造、ノウハウの構築」、▽給食センターには「原料コストの安定化、地域食材による安心安全の担保」、▽地域にとっては「地域経済の活性化、地域内の生産者と地元パン会社と学校との繋がりを保てる」などを掲げている。