米と小麦の違い
良い米粉を作るには米の特性を理解すること
世界中で一般的に食される代表的な穀物は米・麦・とうもろこし・大豆です。その中でも日常的にもっとも広く食されている穀物は米と小麦です。
米は高温多湿なアジアの気候が向いており、小麦は欧州や北米などの夏場に乾燥した地域が向いています。
米と小麦の食べ方
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小麦は古来より、米や大麦のような粒食をされてきませんでした。
それはブランと呼ばれる硬い外皮のためでした。米は中の胚乳が硬く表皮が柔らかい構造であることから、表面を削って精白した粒食が適しています。
それに対し小麦の粒は、いわゆる“小麦色”をした外皮が非常に硬く、柔らかい胚乳を覆っている上に、真ん中には1本の深い溝があるからです。硬い外皮は簡単には取り除くことができないため、少しずつ段階的に砕きながらふるいにかけて、中の胚乳部分だけを小麦粉として使用してきたのです。
その結果として、小麦は“小麦粉”としてパンやケーキに代表される多様な用途に使われてきました。グルテンと呼ばれるたんぱく質の変容により、パン用、麺用、ケーキ用に区別されます。
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一方、米は長い間、粒食として食されてきました。一部ですが、粉砕されビーフンなどの米粉麺を食す文化が東南アジアにはあります。
そして、日本をはじめ米を主食とする東南アジアでは、経済発展・所得の向上とともに米の消費量が減っていく傾向があります。米の代わりに副食の肉や魚のタンパク源が増えたり、一日三食お米を食べていたのが、パンや麺の消費に代わっていくからです。パンや麺の原料である小麦粉の価格が米に比べて安いことも要因とも言えます。
他方、欧米でも食の多様化は進んでおり、またグルテンフリーの概念が生まれていますので、アレルギーフリーの素材として米が注目されています。
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また、世界的には第二次世界大戦後、人口が増加してきました。2020年現在76億人の人口ですが、2050年には100億人に達するという予想があります。
そのため、小麦や米の増産が求められますが、米を米粉に加工してパンや麺を作るニーズは必然的に高まると考えます。
日本国内においては、農業従事者の高齢化、農村地域の過疎化が叫ばれてひさしいですが、減反政策の見直し、耕作放棄地を増やさないことで大切な農業資源を守ろうという政策がはじまっています。米の消費は簡単には増えませんが、高品質で多用途に使える米粉のニーズは高まっています。